【自己研鑽での難関資格取得のROIとは?】ホルダーがその意味について述べてみる
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こんにちは、日比谷タクミです。
伝統的にサラリーマンの自己啓発の1つとして話題にあがるのが「資格取得」という選択肢です。
しかし、近年では資格取得が収入、転職、キャリアアップに繋がるのか、効果や意味に対する疑問の声も挙がっています。
今回は、サラリーマンがキャリアアップのために資格を取ることの是非について、実際に今現在キャッシュアップのために資格取得を検討されている方向けの記事です。
難関資格試験の全体像
以下は、資格の取り方というサイトが出している、難関国家資格の偏差値です。
司法試験、公認会計士、司法書士、税理士、医師、不動産鑑定士といった業務独占資格(資格保有者しかその業務ができない)が上位に並びます。
※出典:資格の取り方
ビジネス系難関資格の代表例
資格といってもご存知の通り、様々な資格がありますが、会社員として働くサラリーマンにとって、現実的に手の届く資格、有用な資格というと数が限られるのが印象です。
ビジネスに直結する資格として、汎用的に転職などでも生かせるという認識を持たれているのは、以下のような資格かと思います。
・税理士
・公認会計士
・米国公認会計士(USCPA)
・社会保険労務士
・中小企業診断士
・証券アナリスト
・簿記検定
・TOEIC
もちろん、それ以外にも個々の業種や職種に関連した資格として有名なものとして以下のようなものがあります。
・不動産鑑定士
・弁理士
・海事代理士
・宅地建物取引主任者
・通訳案内士
・栄養管理士
・行政書士
しかし、これらは少し専門的な側面もあるので「会社員であるサラリーマンが自己研鑽で取得する」という意味合いは少し薄いかも知れません。
生き残りの道を探る業務独占資格
資格の中で、最も難易度が高いとされているのは司法試験、公認会計士、司法書士、税理士などになります。
これらの資格は業務独占資格、つまり資格取得者しかその業務ができない資格にあたります。そのため一念発起して公認会計士、税理士、司法書士などの資格を取り、取得後は独立して活躍を目指される方が多いです。
しかし、近年は難関資格を取得して独立しても、なかなか単独資格だけでは案件が取れずに、複数の資格を取得して事業展開されている事務所も増えています。
日比谷タクミもたくさん士業の知り合いがいますが、例えば友人の中には、
税理士×中小企業診断士
司法書士×行政書士
といった形で顧客に付加価値を提案されている方もいらっしゃいます。
税理士や公認会計士などの業務は、今後AIに代替されやすい業務の代表格として話題に登ることが多いですが、結局は人商売です。コミュニケーション、コンサルティングといった機械に代替されにくい価値を磨くことで、生き残りを模索する状況になっていくかも知れません。
サラリーマンの自己啓発として人気の資格とは?
難易度や汎用性を考慮すると、サラリーマンが自己啓発を目的として取得する資格としてポピュラーなのは、
・英語系(TOEIC, TOEFL)
・会計系(日商簿記検定、USCPA、FP)
・ビジネス系(中小企業診断士、社会保険労務士)
などが挙げられます。
※ちなみに、勘違いされがちですが、MBA(Master of business administration)とは資格でなく学位のため、今回は除外します。
しかし、企業経営を学ぶという観点で、中小企業診断士かMBAか?という選択肢ではよく比較検討されます。
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資格取得の時間とコスト
難関資格の目安勉強時間
※合格率と、目安となる必要勉強時間
ここにあるように、
かなりの時間の投資が必要です。
例えば日商簿記検定1級であれば、必要とされる学習時間は800-1,000時間が目安になるとされています。
ピンと来ないかも知れませんが、一年でサラリーマンが働く時間がだいたい1900-2000時間なので、その半分程度の時間を追加で勉強に投入することになります。
それが出来て、かつ一年で資格が取得できればまだ良いでしょう。というのも、資格試験はいくら実力があっても、出題の巡り合わせや、当日の体調などの要素でなかなか思うように合格できないこともあります。
コスト
最近では、
スマホで移動時間に難関資格の勉強を始めることができる安価なオンラインスクール
も登場してきました。
例えばこのスタディングでは、中小企業診断士講座が月2000円強で受講でき、短期合格を可能とするプログラムが驚きの価格で提供されています。内容も実際に資格専門学校で教えている内容が網羅されているので、サブスクリプションの世界は価格破壊がすごいです。
金額的には自己啓発として気軽に始められるレベルですので、中身を除いてみるという観点から、とりあえずオンラインスクールから1歩目を踏み出してみるのもありです。
難関資格取得をすることのROI
栄転やキャリアアップに繋がるケースも
サラリーマンが自己研鑽で業務汎用性の高い資格を取るのは、かなりの時間的な投資が必要なことが分かりました。しかし、本当にそれに見合ったリターンがあるのでしょうか?
実際、ここはかなりの個人差が出ます。いくつも事例を知っていますが、
・経理をやっている人が簿記1級を取って昇進した方
・証券アナリストを取得して上場準備業務にアサインされた方
・中小企業診断士を取って経営企画に異動になった方
・USCPAを取って海外で起業した方
などが、資格取得後に上手く希望を叶えたり、キャリアアップを実現したパターンと言えます。
しかし、これらの例はあくまでも結果としてそうなっただけで、
資格取得によって周囲からの評価が変わるとは限らない
という点には注意が必要です。
実際に、私も資格取得手続きで休暇を取得する際に、当時の上司に報告しましたが、
「あっ、そう」
といった感じで全く反応がありませんでした。
資格を取れば転職に有利というのも少し浅はか
また、資格を取って転職という考え方も悩ましいと言えます。
ハッキリ言って、中途採用を行う企業は
「勉強ができる人ではなく、仕事ができる人」
を求めています。
いくら難易度の高い資格を保有していても、
・仕事での実績
・仕事へ向き合うスタンスや経験に裏打ちされたスキル
などがあることが面接で伝わらないと、「資格だけ取った人」という印象になります。
資格だけでは、本質的に評価されないのです。
まとめ
膨大な時間や結構なお金をかけて資格を取得することのメリットを、ROI(費用対効果)という観点から考えると、正直疑問も残ります。
なぜなら、
資格を取得すれば栄転できる訳でも、キャリアアップできる訳でもない
からです。
公認会計士や税理士などの業務独占資格を取得しても、確かに独立はしやすいものの、それが「稼いで食べていける」ということを確約する訳でもありません。
もしキャリアアップを目指している中で資格取得に興味がある方は、きちんとその目的について考えることをお勧めします。
一方で、
・頑張って勉強し、試験を突破した経験から得た自信
・学んだ知識や思考力
・困った時に相談できる士業ネットワーク
などは確実に自分の資産になっています。
このような定性的なメリットは非常に大きいと感じているので、
「難関資格にチャレンジしてよかったですか?」
という質問に対しては、明確に「YES」と答えられると思います。
以上、今回も最後までお読み頂きありがとうございましたm(_ _)m
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