"安定・ホワイト・高収入"ではなく"高い市場価値が獲得できる仕事"に注目すべき理由
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こんにちは、国際分散と配当再投資で令和の生き残りを目指す日比谷タクミです。
あたり前ですが、資産形成を行うにあたって、給与収入が安定していることの大切さや、キャリアアップの大切さ、については何度かお伝えしています。
▼アーリーリタイアに必要な年収を試算しています
▼年収を上げる方法について解説しています
一方で、日比谷タクミ個人の意見としては
「安定・ホワイト・高収入」といった点にこだわるよりも、「高い市場価値がつく仕事」に注目するべきだ思っています。
今回はキャリアを真剣に考えられている方、特に年齢の若い方に向けて、その理由について解説していきたいと思います。
就職人気ランキングと転職人気ランキングの大きな違い
新卒はとにかく身近で、知名度が高い、安定企業
以下は2020年就職人気企業総合ランキング(みん就)と、2019年転職人気企業総合ランキング(doda)の比較です。
ご欄頂いてわかるように、新卒で就職活動を行う学生は基本的に
・銀行や保険などの金融機関
・航空会社、旅行会社、レジャー
などに目が向いているのが分かります。
今回使っている就職人気ランキングは東洋経済プラスワンが出している、いかにも就職活動を始めたばかりの若者が志望している企業なので、どうしても
「自分に身近な会社」
「TVCMを沢山やっていて親受け、友達受けが良い会社」
「安定していそうな大企業」
といったところを志望しやすい傾向にあります。
また、2020年卒に向けたマイナビの意識調査によると、就活生の安定志向は年々高まりを見せています。
「安定している会社」を求める人が増え、「給料の良い会社」「休日・休暇の多い会社」を希望している人が年々増加しているのが分かると思います。
その一方で、
「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」
「働きがいのある会社」
「社風が良い会社」
を求める人が年々減少しています。
つまり、
「やりがいなんて求めておらず、ホワイトで安定していて給料が高い会社に入りたい」
というのが、今の若者の傾向であり、本音と言えます。
社会人は独自の競争力があって成長ができる会社に注目
一方で、転職人気ランキングになってくると様子は様変わりします。この転職人気ランキングは社会人を経験した人が回答しているものなので、
「社会人になってからわかる本当に必要なもの」
を指し示していると考えられます。
Google, Amazon, Appleなどの世界時価総額トップ企業が上位を占めます。また総合商社、メーカーでも国際競争力の高いソニー、トヨタ、ホンダ、パナソニック、サントリー、そして独自の強みを有する楽天、ソフトバンク、キーエンスやリクルートといった企業が上位に来ます。
・世界トップクラスの外資
・国際競争力が高い大手製造業
・独自の強みを持つ企業
-年収2000万円、営業利益50%超えのキーエンス
-投資会社として成長余地が大きいソフトバンク
-強い国内金融経済圏を持つ楽天
-人材輩出企業としての地位が確立しているリクルート
こういった企業群の特徴は、もちろん年収や福利厚生が良いのはもちろんとして
・高いレベルのアウトプットを要望される
・優秀な人たちの中で揉まれる
・活躍のフィールドが広い
といった、
ビジネスパーソンとして成長できる機会に恵まれやすい
という特徴があります。
ビジネスパーソンとしての価値が高まるかどうかがカギ
辞めたけど良い会社ランキング
では別の角度からも見てみましょう。
Openworksが調べた"退職者が選ぶ「辞めたけど良い会社ランキング2018」"によると、上位には転職人気ランキングと近い同様の顔ぶれが並びます。
1位 :グーグル
5位 :リクルートHD
7位 :三菱商事
10位:キーエンス
16位:伊藤忠商事
転職人気ランキング上位の企業が、こちらにもランクインしています。
それ以外の上位はマッキンゼー、ボストンコンサルティンググループ、ゴールドマンサックスといった外資金融・コンサル、そしてその他の総合商社などが占め、これらの企業の退職者の多くは、辞めたにも関わらず元にいた組織のことを高く評価しています。また、
彼らはなぜ自分が辞めた企業のことを高く評価しているのか?それは給与が良かったからでも、安定していたからでもありません。
"ビジネスパーソンとしての価値を高めてくれたこと"
を評価しているのです。
転職市場価値(エンプロイアビリティ)を高めること
これらを統合すると「社会人になってからわかる本当に必要なもの」の解が見えてきます。
それは、
転職市場価値(エンプロイアビリティ)を高めること
ではないか、という仮説が立ちます。
実際に上記のような企業の出身者は、
・退職後においても次なるチャレンジを求めて経営や起業などを志向する傾向にあり、敢えて好条件な現職を退職しているケースが多い
・上記企業の出身者は転職エージェントなどからも高い評価を受けている
という事実もあります。
安定・ホワイトで平均勤続年数が長い企業は、所属している企業に依存的なスタンスが芽生えやすくなるため、キャリアに対する自立意識や、エンプロイアビリティは育ちにくくなります。
転職市場価値(エンプロイアビリティ)が高いことのメリット
自分が好きな時に他の会社に移ることができる
一定の能力が獲得できていると、
・別の仕事をしたくなった時
・次のチャレンジをしたくなった時
・自分がやりたいことが出来た時
などに、自分の自由意志で別の環境に移ることが出来ます。会社に依存することなく自分の意思で、自らのタイミングで動けることが最大のメリットです。
自身でビジネスができる能力があれば、会社に勤めるだけでなく、自分で起業したりフリーランスをしたりといった選択肢も取ることができます。
年齢が上がっても転職が可能
基本的にキャリアの自立性が高く、エンプロイアビリティが高い人はどの会社でも求められます。つまり、好条件で転職ができるケースが多いです。
加えて言うと、転職における年齢の壁があまり関係なくなります。経営、財務、資金調達、事業開発などの経営の重要領域では常に採用ニーズがあります。
プロフェッショナル人材として仕事ができていることで、これらの領域において長く活躍が可能です。
不況に強い
これが一番メリットが大きいかも知れません。
景気の変動というのはいつの時代も起こりますが、自身の所属する会社が傾いた時にリストラされずらく、かつリストラされてもすぐに再就職が決まります。
ビジネスパーソンは、実は外部環境が良い時ではなく、悪い時にこそ真価が問われます。
まとめ
誤解の無いようにお伝えすると、今回の記事で伝えたかったのは「転職人気企業に入ろう!」ということではありません。
ベンチャーでも中小でも、安定企業であっても、自身の仕事への取組み方や、それを支援する風土があればキャリアに対する自立意識やエンプロイアビリティは獲得をすることはできます。
事実、ホワイト・安定といった環境を志向する若者が増えてきている傾向にありますが、ビジネスパーソンにとって本当に大切なのは、
「自立的なキャリアを歩める力が付いているのか?」
「転職市場での価値は高まっているのか?」
を問い続けることである、というのがお伝えしたかった点です。
今現在の所属企業がどんな会社であるかどうか、実際に転職をする予定や可能性があるかどうかの問題ではありません。大手だろうが安定・ホワイト企業だろうが、もう既に雇用が保障されない世の中になっているからです。
「所属している会社ではなく、自分の市場価値が大切」
という観点は常に持っていて欲しいと思います。
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