投資において自分の才能、運、努力に対して悲観的に考えることの大切さ
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こんにちは、日比谷タクミです。
仕事と投資の大きな共通点は「成果を出してお金を稼ぐ」ことです。
自分の人的資本を投下して収益を上げる仕事と、自分の金融資本を投下して収益を上げる投資は、活用するリソースが違えど生活費を賄い、蓄財を行うことで人生を豊かに生きるためのものです。
しかし、この仕事と投資に向き合うにあたり、考え方、スタンスの面で大きな差異もあります。
それは
「自分の才能、運そして努力に対してどれだけ楽観的に考えるか」
です。
今回はその点について書いていきます。
仕事での成功は努力次第
振り返ってみると、仕事でキャリアを構築していくために日比谷タクミが行ったことは、「努力」と「工夫」の2つでした。
周囲の人たちが学歴が高く、経歴も素晴らしく、地頭も良い優秀な人たちが多い環境だったので、そういった人たちに追いつけ追い越せと努力をしました。
どうやったら質の高いアウトプットが出るか、どうやったらプロジェクトがまとまるか、どうやったら収益が上がるか、といったことを考え続けました。
そして考えたらトライしてみる訳です。
そこでまた壁にぶつかります。上司からダメ出しされ、周囲は動いてくれず、成果が埋めません。
自分のプライドは傷つき、精神的にもダメージを追いますが、その学びから自分に不足している部分を認識し、自己学習やプラン修正を重ねながら再度のトライを繰り返します。
そうやってめげずに立ち向かい、努力を重ねていくと、次第にアウトプットの質が高まってきます。
そして周囲からの信頼が高まってくると思わぬチャンスも飛び込んできたりします。その機会を活かしてビジネスパーソンとしてさらに大きく活躍するチャンスを獲得できたりします。
実際に自分が経験してきたのはそういうものでした。
日比谷タクミは、基本的に人間の持つ才能や可能性は大きく変わらないと考えています。今現在において優秀な人は、過去のどこかのタイミングで人一倍の努力をしているのです。
つまり、
自分よりも優秀な人でも努力で追い越すことが可能
これが日比谷タクミがビジネスパーソンとして働いてきた十数年の中で学んだことで、仕事において今でも大切にしている考え方です。
優秀なファンドマネージャーもインデックスに勝てない
一方で投資の世界では、考え方をそもそも大きく変えなければいけません。
以下は2018年、米国エクイティファンドの68.83%がS&P Composite1500の 指標よりもアンダーパフォームしていることを指しています。これは2001年から見ると2018年は4番目に大きな負け越しをしたということです。
「アクティブファンドの8割はインデックスに勝てない」と言われますが、世界有数の大学を卒業して、欧米の巨大金融機関で働き、ファンドマネージャーとなって年俸数千万~数億を取っている超エリートが運用するファンドも、マーケットインデックスに勝つのは簡単ではない(むしろ多くが負けている)というのが投資の世界です。
インデックス投資家の中では有名な書籍、チャールズ・エリスの「敗者のゲーム」においては、アクティブファンドがインデックスをアンダーパフォームする理由について以下のように解説しています。
アクティブ投資が市場平均のパフォーマンスを下回る理由
・市場タイミングを選択している
・個別銘柄または特定グループの選択をしている
・ポートフォリオの構成ないし戦略のタイムリーな変更をしている
・優れた長期的投資コンセプトもしくは投資哲学の開発・商品化をしている
さらに個人投資家がアクティブファンドに投資をすると、さらにインデックスのリターンに劣後する確率が高まります。
それは取引コストの問題で、優秀なファンドマネージャーに高いコストを払って運用を任せることで投資家が負担する取引コストが高くなり、結果的にパフォーマンスがインデックスに劣後するからです。
投資では悲観的に考えること
仕事においては、自分はそのインダストリー、職種においてはプロであるべきですが、サラリーマン投資家が投資の世界でプロを目指すのは至難の技です。
毎日ディーリングボードを見ている時間はありませんし、ファンドマネジャーや機関投資家のような情報も資金もありません。
また、サラリーマン投資家が資産形成を目指すのであれば、長期投資が鉄則です。
長期投資でリターンを求めるということは、逆にいうと、短期でのリターンは求めないということです。
金融市場は世界中の金融プロフェッショナルがひしめく、いわば戦場です。
そこで売買タイミングを見極めて機会投資をして短期利益を求めても、圧倒的な知識、情報、経験、資金を持った市場参加者には勝てる可能性は低い、と考えるべきだと思います。
数回短期取引してキャピタルゲインを得ても「私には才能がある」と考えて過信すべきではありません。
「頑張って努力すれば必ず結果がでる」と信じてテクニカル分析を徹底的に行い、ディーリングボードを見ながらタイミング売買をしても、それが投資利益には必ずしも繋がりません。
「運がどこかで巡ってくるだろう」という考え方も楽観的と言えます。
このくらい悲観的なスタンスで投資に対しては向き合うべきではないでしょうか?
長期投資の選択肢はインデックスか高配当
インデックス投資や高配当株投資は、こうした悲観的思考を持つべきサラリーマン投資家にうってつけの投資戦略です。
・プロには勝てないから市場連動インデックスに投資する
・儲かる銘柄は選べないから安定的に配当を出してきた実績を信じて会社に投資する
という考え方は、サラリーマン投資家にとってのとても合理的な結論です。
幸い、私たちが生きているうちに資本主義社会は崩壊しない可能性が高いです。
資本主義は更なる富を求めて自己増殖を続けるシステムなので、今後も世界経済は成長します。実際に世界経済は毎年3-4%成長しています。
この世界経済成長の恩恵を最も大きく受けるであろう経済大国である米国のインデックス投資をしたり、グローバルな個別の安定・累進・連続増配企業へ投資をすることは理にかなっている投資と言えます。
まとめ
人的資本は仕事を通じて育てていくものなので、努力が大切だと思います。時としては根拠のない自信も持ってチャレンジし、その中から運も呼び込んでいくということも必要です。
しかしこと投資になるとその考え方は楽観的な考え方にもなります。
努力の方向性を見誤ると負ける確率が高くなりますし、運を期待することもナンセンスです。自分のセンスや才能を過信してはいけません。
夢のない話に聞こえますが、少し自分自身に対して悲観的に考えるスタンスが、堅実に投資を行って資産を着実に形成するために必要だと思っています。
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