【価格決定メカニズムから読み解く】旅行ピークシーズンを経済的に過ごす方法
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こんにちは、日比谷タクミです。
今年のゴールデンウィークは10連休となった方が多くいらっしゃったかも知れませんが、その期間で国内旅行に出かけられた方も多くいらっしゃったと思います。これからの時期は、海の日の3連休、そしてお盆休みなどの旅行シーズンになります。
今回は、そんな旅行シーズンをお得に過ごしたいと考えている方向けの記事です。
【価格決定メカニズムから読み解く】旅行ピークシーズンを経済的に過ごす方法
物やサービスの値段は変わる
みなさんは物やサービスの販売価格が、
・購入するタイミング
・購入する場所
・購入の仕方
・購入する相手
などによって大きく変わることはご存知だと思います。
しかし一方で、条件を変えても販売価格がほとんど変わらない物やサービスも存在します。
多くの方には、
「賢い消費者でありたい」
という想いがあるかと思います。
お得に物やサービスを買うためには、購入する物やサービスそれ自体だけでなく、その裏側にあるビジネスモデルについて、正しい知識を身に付けて行動する必要があります。
今回はピークシーズンによく利用されるホテルやフライトなどの題材を中心に解説していきたいと思います。
ピークシーズンのホテルが高くなる理由
ダイナミックプライシングを理解する
どんなサービスにも需要が集中する時期、つまりピークシーズンがありますが、その時には価格が高騰します。
特にそれは、
・価格の需要弾力性があるサービス
・在庫が存在するビジネス
・原価が曖昧なサービス
で主に起こります。例えば、ホテルの宿泊料金、航空券、レンタカーなどのような該当しますね。
これらのビジネス形態は、一般的に
稼働率×販売単価
で売り上げが決まります。ホテルを例にして考えてみましょう。
販売単価を固定すると、
・賃借料・建物や設備の減価償却費・人件費などの固定費
・ベッドシーツや清掃費などの変動費
を足したコストに対して、それを上回る稼働率(損益分岐稼働率)があれば、その分は超過利益となります。
※損益分岐稼働率のイメージ
ホテルや航空会社は、過年度や先行予約のトレンドを元に需要予測をしており、ピークシーズンには稼働率が極めて100%に近づくこと予め知っています。
彼らは客室や座席を稼働率100%を超えて販売することは出来ません。しかし、強い需要がある時期は販売価格が高くても買ってくれる人がいることも分かっているので、販売単価を引き上げて超過収益を狙うのです。
これは、レベニューマネジメントという収益管理の一つで、
ダイナミックプライシング
と呼ばれており、価格の需要弾力性を利用して、需要量に基づいて価格を変える手法です。
ピークシーズンは販売単価を2倍にしても、3倍にしても、そこでしか家族の休みが取れない方々などが購入します。
また、多くの人はローシーズンの価格がいくらで、ピークシーズンの価格がいくらなのかは日常的にチェックしていないので、行きたい日付を検索し、目に入ってきた価格で主観的に判断して予約します。
一般的に旅館などは、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始などの年間20-30日のピークシーズンだけで、年間収益の30%から多いところでは40%近くを上げています。
つまりそれだけ、
ピークシーズンに大きく料金を上乗せしている
ということです。
そのコストを負担しているのは、私たち消費者ですので、
・可能な限りピークシーズンの予約を避ける
・予約したいホテルや旅館のローシーズンとピークシーズンの価格差を見て、必要以上に価格が高くなっていないかを確認する
というのが、経済面を考えた時に大切なことだと考えられます。
直近でホテルや旅館をご予約される予定がある方は、実際にじゃらんnetで調べてみてみれば一目瞭然だと思います。予約日を6月の梅雨の時期と、8月のお盆で指定して比べてみれば、どのくらいの価格差があるか確認できると思います。
「早く予約すると安い」は本当?
一般的にホテルやフライトは、
早い時期に予約すると安くなります。
これはピークシーズンだけの話でなく、リーンシーズンも同じ傾向です。
よく私たちに起こるのが、出張で使うビジネスホテルの価格が二週間前に見た時は7000円だったのに、いざ予約しようと前日に見たら1万円になっていた、といったパターンです。
一般的に人気のあるビジネスホテルは、90日前から販売を開始し、客室稼働率が高くなっていくに連れて、徐々に価格を引き上げていきます。
こうして最後の1室を一番高い価格で売り切るようや価格コントロールを行うのが、ホテルにとっての最大化、つまりレベニューマネジメントの基本的な考え方です。
ホテルにとっては早い時期から予約が確定しているのはメリットになります。そのため、早割やキャンセル不可などの条件を付けて価格を下げて、早期予約を優遇していることもありますので、原則としては、早い時期に予約をしておくのが賢い消費行動といえます。
一方で、客室稼働率が100%に全然届かなそうなホテルは、
「これは全部埋まらないぞ」
と判断すると、価格を下げていき、間際ではなんとか空室を埋め切るために直前割引セールを行ったりします。
全てのホテルがそうである訳ではありませんが、一般的には
・人気のあるホテルは間際になると価格が上がっていく
・人気のないホテルは間際になると価格が安くなっていく
というイメージです。
ただし、ピークシーズンは人気のないホテルでも満室になったりしますので、値段は全体的に上がっていく傾向にあります。
価格が需要によって変わらないサービス
一方で、シーズンに限らず、販売単価が変わらないものも存在します。
それは、飲食店やテーマパークなどが該当するでしょう。
飲食店のケース
飲食店は一般的に、
価格透明性が高い
という特徴を持つ業態のため、需要が高いからと言って販売価格を変えづらいサービスの代表格と言えるでしょう。
そのかわり、席の回転数を上げるために週末は2時間制にするなどで、超過収益を得ようとしている居酒屋などもあります。
これを裏手に取っていくと、結構お得になったりするケースがあります。
例えばクリスマスに人気レストランなどを結構早めに予約しておくと、
直前になってから、
「すいません、当日はコース料理のみになってしまいました。しかし、お詫びにワイン1本プレゼントします。」
「すいません、2名様での窓際のお席がご用意が難しくなってしまったのですが、お詫びに料理をグレードアップさせていただきます」
といった形で連絡が入ることがあります。
テーマパークのケース
また、ディズニーランドやUSJなどのテーマパークもそれに該当します。ゴールデンウィーク、シルバーウィーク、クリスマス休暇などには沢山の人が訪れますが、ピークシーズンだからと言って、販売価格は基本的に変わりません。
なぜならば、
彼らには在庫がないから
です。
逆に消費者にとって難しい点が、ピークシーズンなのに料金が変わらずに需要が落ちないため、とても混雑していることです。
まとめ
解説した通り、価格の需要弾力性が高いサービスは、ピークシーズンに販売価格がとても高くなる可能性があります。また、ピークシーズンなのに価格が上がらないサービスは、需要が高いままなので、混雑します。
そもそも日比谷タクミは、混雑する時期に、混雑する場所に行くことが好きではなので、ピークシーズンに旅行に行ったりお出かけすることは推奨はしていません。実際に日比谷タクミは、ピークシーズンは自宅にいて、平日に休みを取って旅行などに出かけるようにしています。
しかし、現実的にそこしか休みが取れないというケースもあると思います。
そういう場合は、
ビジネスモデルと価格の需要弾力性を考えて、早めにどう行動すれば良いかを考える
というのが基本になるでしょう。
普段は何気なく許容しているけど、実は払う必要のないコストであることもあります。
賢い消費行動をとるために、常に価格を設定する事業者側の意図をイメージしてみることも重要です。
以上、今回も最後までお読み頂きありがとうございましたm(_ _)m
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