就活で大手安定企業に新卒で入るのは"ダサい"のか?
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こんにちは、日比谷タクミです。
就活が本格的に開始してきていて、各社ともに活発に採用活動が動いています。
日比谷タクミのところにも、最近は多くのOB訪問の問い合わせが来ます。
若者の今の状況を理解する良い機会なので、できる限り受けるようにはしているのですが、正直週に1件が限界で、お受けできない学生さんには大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。
レベルの高い最近の学生
最近の学生はそれにしてもレベルが高い。
何が高いって、意識が高い。
ひと昔前の就活生が面接で話すことといえば、
サークル
ゼミ
アルバイト
の話がメインでした。というかほとんどでした。
「サークルで部長やってました!」
「バイトでリーダーでした!」
「ゼミでリーダーでした!」
みたいな自己PRが大量増殖され、一体この世にリーダー何人いるねん!と思うような感じでした。
売り手市場の中で企業側の狙いから来ている部分も大きいと思いますが、今は学生時代から企業インターンに行くのが当たり前のようになり、海外留学やボランティアなども以前に比べてかなり多くの人が学生時代に経験してます。
「海外インターンを渡り歩きました!」という猛者や、
「学生IT起業して既に一社売却しました!」なんていう学生もいます。
海外にほぼ無給でインターンに来る学生たち
日比谷タクミが東南アジアのとある国で現地企業の経営の仕事をしている時、とある事情から日本人のインターンを募集しました。
募集条件は、
・6ヶ月間の長期
・給料は一日100ペソ(日本円で220円。現地インターンと同条件)
・ビザ代、寮は会社支給
と、かなり日本人には厳しい条件だったにも関わらず、結構な数の応募が来ました。実際に数名は半年間、しっかりやってもらいました。
彼らはローカルマーケットに対するWEBマーケティング等、実用的なスキルをつけて帰国しています。
彼ら曰く、
海外インターンはかなり就活バリューが高い
みたいです。
話がいきなり本題から逸れまくってますが、つまりは
数年単位のスパンで、企業が就活生に求めていることや、
就活生が必要な経験と思っていることの認識が変わってきている
ということだと思います。
正直、就活の時に「私はサークルで宴会部長でした!」と自己PRしていた日比谷タクミは、今の学生にアドバイスできる立場なのか?と疑問に思うことすらあります。
インターネットがベンチマークと平均点を押し上げた
これは間違いなくインターネットが影響しています。
今まではそういう意識の高い活動を学生時代にしているのはごく一部の学生で、他の人はそれを知る良しもありませんでした。
自分のベンチマークは、自分の大学の、自分が知ってる周りの優秀な友達でした。
しかし近年、ネットでの情報を通して、内定を何社も取る強者の存在や、その理由が明らかになってきました。また入社する会社による給与条件や、その後のキャリア格差が明らかになっていき、新卒時の入り口の大切さが改めて認識されてきているのだろうと思います。
参照点・ベンチマークが、自分の周囲にいる学生から、世の中にいるトップレベルに意識の高い学生に変わっていったことで、多くの人のベンチマークが高くなり、それが学生のインターンシップへの参加、海外留学、ボランティア、海外インターンや学生起業などといった行動を後押ししているように思います。
結果として学生の意識の平均レベルが上昇したのでしょう。
意識の高い学生が、安定企業を敬遠している?
さて、ようやくここから本題に移りますが、
これは日比谷タクミが一回り違う最近の学生から聞いたことです。
「大手安定企業って、、、今どうなんですかね。正直ちょっとダサいかなって・・・」
今日はこの言葉の意味を考えてみます。
社会構造が変化
一見すると、今でも就職人気ランキングの上位企業はひと昔前である2000年代と比べてほぼ変わっていないように思います。
ANA、JAL、
JTB、HIS、
メガバンク、
ソニー、
日本生命、東京海上、
三菱商事
などなど。
しかし、今まであれば省庁で官僚を目指したり、日本の超大手優良企業といわれる企業に入社していたいわゆる優秀と言われる学生が、ベンチャー企業に入社していくようになってきています。
高い収益性、成長期待から高いバリュエーションがつきやすいITビジネスにおいて成功した、いわゆるIT経営者のSNSなどを通した情報発信や、そういう若くしての成功を目指す優秀な学生が、憧れをもってベンチャーに飛び込んでいきます。
バブル崩壊後から構造不況が長引いており、ITバブル崩壊、リーマンショックなどを経て企業は設備投資を抑制。そして人件費の抑制を進めつつ、内部留保を優先するようになっており、社員の非正規化、そして平均賃金の停滞・低下が続いています。
今後の人口減による国内需要の減少を海外市場で盛り返そうと、製造業は海外に出ていこうとしますが、すでに成長国は中国と韓国に先行して押さえられてしまっており、苦戦が続きます。
東芝やシャープなど超優良企業の凋落により、大企業も安泰ではないとの考えが根付き、
「自分たちでスキルを身に付けないと将来が危ない」
という意識も高まりつつあり、入社する企業の規模への信奉が弱まったということもあるでしょう。
優秀な学生の就活テーマが変わってきている
つまり優秀な学生が重視するテーマが、
「知名度×安定」から「早く大きく成長ができる」に
確実に変化しているように感じます。
これは実際に学生インターンを受け入れている企業が、比較的社歴が若く、成長していて、柔軟な社風を持っており若手のエンパワーメントが上手いという点も影響していると思います。そこに触れた学生は、より成長の大切さを意識した企業選びを志向するようになるのでしょう。
さらに言うならば、
「社畜」
「ぶらさがり社員」
といった言葉が世の中に出歩くようになり、ホワイト、安定といわれた大企業で働くことは以前ほどメリットが薄く、刺激に乏しく、先進性に欠け、以前に比べて古臭くダサいと感じる学生、若者が増えてきているように思います。
[まとめ]社会人の目線に近づいて就活をする学生が増えた
Dodaが毎年、転職人気ランキングで社会人が働きたい企業のランキングを出しています。
その中で、毎年上位に登場する顔ぶれの中に、
グーグル、Apple、リクルート、ソフトバンク、アマゾン、ファーストリテイリングといった顔ぶれが登場してきます。
少し新卒のランキングとは毛色が違います。世界を、日本を代表するエクセレントカンパニーであり、成長環境のある会社として名が通っています。
こうして俯瞰して考えると、
社会人を一度経験すると、仕事をする場としての成長環境の大切さが理解できてくるのかもしれません。
インターンという社会人の疑似体験を経験した優秀な学生が増え、その学生が新卒の就活で志望する企業は、どんどん社会人が転職で志望をする企業に近づいてきているのではないでしょうか。
そういう文脈が背景にあることで、以前よりも大企業×安定というイメージがある会社に対して、
「ダサい」
といった印象を持つようになってきている学生が、本当に増えているのかもしれません。
以上、日比谷タクミでした。今回も最後までお読み頂きありがとうございましたm(_ _)m