日比谷タクミ 令和を生きるサラリーマンの資産形成

日比タクです。アセット分散×配当再投資による王道インカム投資を行っています。会社員として堅実な資産形成を目指される方に向けて投資・資産管理の情報を発信しています。

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【徹底検証】米国高配当株と米国連続増配株はどちらの方が長期リターンが大きいのか?

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こんにちは、日比谷タクミです。

インカム投資家の投資対象として有力な選択肢として、

高配当株式
高配当ETF(株式、債券)
高配当REIT

などが挙げられます。高配当なアセットは資産形成効率が高いため多くの投資家が高配当をベースに銘柄選定を行っています。

一方で、もう1つのインカム投資家の主流は、

連続増配株(配当貴族株)

てす。実質の配当利回りがさほど大きくなくても、連続的な配当成長を続けている企業の方が長期的なリターンが大きくなる、という考え方です。

 

今回は、米国株をサンプルに高配当株と連続増配株どちらの方が長期リターンが大きいのかを徹底検証してみたいと思います。

 この記事はこんな方にオススメ

・配当が欲しくて投資を始めているが、自分の投資銘柄の選択が正しいのか分からない

・高配当株、かつ連続増配株は数が限られていてポートフォリオが広げずらい

・連続増配株、配当貴族株に興味はあるが利回りが低くて購入を躊躇している

・高配当と連続増配のどちらがいいのかわからない

 

高配当株、連続増配株の代表銘柄のご紹介

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まずイメージを付けるために代表的な銘柄について触れていきましょう。

高配当銘柄も連続増配銘柄も数は沢山ありますが、今回は時価総額が大きくある程度知名度のある銘柄を優先します。

※データは2019/6/7時点

 

高配当銘柄 

HSBC

HSBCは元々1865年に設立された香港上海銀行として、1991年に設立されたイギリスの銀行です。現在も収益は香港、イギリスが中心です。増配はしていませんが、常に高い配当水準を保っている銀行銘柄です。

  2014 2015 2016 2017 2018 2019
DPS 2.45 2.50 2.55 2.55 2.55 2.55
配当利回り% 5.19 6.33 6.35 4.94 6.20 0.06

RDS-B ロイヤル・ダッチ・シェル B ADR 

世界145カ国、50近い製油所、4万店以上のガソリンスタンドを保有する世界最大規模のエネルギー会社です。配当成長はしていませんが高配当が継続しており、配当利回りは平均して6%程度となっています。

  2014 2015 2016 2017 2018 2019

DPS

3.72 3.76 3.76 3.76 3.76 3.76
配当利回り% 5.35 8.17 6.49 5.51 6.27 5.90

連続増配銘柄

MMM スリーエム

60年連続増配を続けている消費財メーカーです。ポストイットが有名ですね。ここ数年も6%程度の増配を行っています。直近の急落で配当利回りは高まっていますが、平均的には2.5%前後です。

  2014 2015 2016 2017 2018 2019
DPS 3.42 4.10 4.44 4.70 5.44 5.76
配当利回り% 2.08 2.72 2.49 2.00 2.86 3.52
KO コカ・コーラ

言わずと知れたバフェット銘柄のコカ・コーラ社です。57年連続増配中ですが、2018年は5.4%の配当成長、2019年は2.6%の配当成長にとどまり売上減少から徐々に配当成長率は減少しています。

  2014 2015 2016 2017 2018 2019
DPS 1.22 1.32 1.40 1.48 1.56 1.60
配当利回り% 2.89 3.07 3.38 3.23 3.29 3.14

高配当かつ連続増配株

AT&T

高配当かつ連続増配という株式も存在します。代表格は米国最大の通信会社AT&Tです。配当利回りは6%近辺にあり、毎年2%の配当成長です。

  2014 2015 2016 2017 2018 2019
DPS 1.84 1.88 1.92 1.96 2.00 2.04
配当利回り% 5.48 5.46 4.51 5.04 7.01 6.38

 

【仮想対決】高配当株 vs 連続増配株

さて、ここからはパターンを分けてシミュレーションをしてみたいと思います。まずは上記のイメージを元に仮想的な銘柄を元に比較します。

シミュレーション① 

【高配当銘柄A】

投資金額:10,000ドル
購入価格:100ドル(株価は成長しない)
購入枚数:100枚(配当は年度末に再投資)
配当利回り:4% 
増配:なし 

【連続増配銘柄B】

投資金額:10,000ドル
購入価格:100ドル(株価は成長しない)
購入枚数:100枚(配当は年度末に再投資)
配当利回り:2%
増配:毎年5%


<結果>
27年目に連続増配銘柄Bのリターンが、高配当銘柄Aを上回る
30年後 Aは32,434ドル、Bは36,531ドルになる

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シミュレーション②

【高配当銘柄C】

投資金額:10,000ドル
購入価格:100ドル(株価は成長しない)
購入枚数:100枚(配当は年度末に再投資)
配当利回り:5%
増配:なし 

【連続増配銘柄D】

投資金額:10,000ドル
購入価格:100ドル(株価は成長しない)
購入枚数:100枚(配当は年度末に再投資)
配当利回り:3%(開始時)
増配:毎年5%

 

<結果>
21年目に連続増配銘柄Dのリターンが、高配当銘柄Cを上回る
30年後 Cは43,219ドル、Dは68,196ドルになる

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ご覧の通り、短期では高配当株が上回りますが、
・20年以上にわたる長期保有を前提する
・連続増配株が半永久的に増配を続ける

と仮定すると連続増配株が有利になります。

しかし、

シミュレーション①、②は1株配当増加に伴う株価上昇を無視しています。

次のシミュレーション③では、配当利回りが開始時と同じ水準に固定されるように、株価も5%ずつ毎年成長させてみましょう。

シミュレーション③

【高配当銘柄E】

投資金額:10,000ドル
購入価格:100ドル(株価は増配率に合わせて成長しない)
購入枚数:100枚(配当は年度末に再投資)
配当利回り:5% 
増配:なし 

【連続増配銘柄F】

投資金額:10,000ドル
購入価格:100ドル(株価は増配率と一緒の毎年5%上昇)
購入枚数:100枚(配当は年度末に再投資)
配当利回り:3%
増配:毎年5%

 

<結果>
2年目から連続増配銘柄Fのリターンが圧倒的に上回る
30年後 Eは43,219ドル、Dは95,968ドルになる

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シミュレーション結果:長期では連続増配株が有利

配当利回りそのもの高さよりも、継続した増配の方が長期リターンが良いことがわかりました。さらに株価成長を考慮すると、連続増配株は非常に大きなリターンをもたらすことが分かりました。

 

もちろん株式に絶対はないので、

・1株配当が維持できるか
・継続的に増配が続くか
・継続的に株価が上昇するか

など将来のことは誰にもわかりません。しかし、少なくとも配当成長がもたらすリターンの大きさは感じて頂けたかと思います。

【リアル対決】AT&T vs KO

 

ここまでは仮想の数字で見てきましたが、リアリティを出すために現実の銘柄の配当利回り、増配を想定して比較してみましょう。ここで使うサンプルはAT&TとKO(コカ・コーラ)です。

AT&Tは高配当×連続増配株(配当利回り 6.38%、配当成長率2%)

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KOは連続増配株として高めの配当成長率(配当利回り 3.2%、配当成長率5%)

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となっています。

この2銘柄をベースに、直近の実際の数字を使って再度現実に近い形でのシミュレーションをしてみましょう。

シミュレーション④

【AT&T】

投資金額:10,000ドル
購入価格:32.00ドル(株価は増配率と同じだけ成長)
購入枚数:312.5枚(配当は年度末に再投資)
配当利回り:6.38% 
増配:毎年2.0%

【KO】

投資金額:10,000ドル
購入価格:50ドル(株価は増配率と同じだけ成長)
購入枚数:100枚(配当は年度末に再投資)
配当利回り:3.20%
増配:毎年5.0%

 

<結果>
AT&TがKOを永久に上回る
30年後 AT&Tは109,593ドル、KOは101,454ドルになる

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僅差にはなりましたが、配当利回りが高く、連続増配もしているAT&Tに軍配が上がりました。両銘柄とも設定どおり

・配当再投資を継続
・連続増配
・1株利益上昇分の株価上昇

が実現できた場合には、30年後には10倍になるというなんとも夢のある話です。

しかし現実でいうと、ここ10年でKOは株価2倍になっていますが、増配率は低下してきています。またAT&Tの株価は10年で20%程度しか上昇していませんので、このシミュレーションは、あくまで"たられば"の理論値とご理解を頂ければと思います。

 

まとめ

高配当株、連続増配株という銘柄は強力な投資選択肢であることが確認できたと思います。

ただ、現状どんなに良い条件の銘柄でも

・減配
・増配率が低下
・増配ストップ

などのリスクがあります。

財務分析も必要ですが、現在の財務や過去の配当実績が5年・10年・20年、そして30年先を占うものでもありません。配当を狙った投資を行うにあたって少数銘柄への集中投資は避け、最低限の銘柄分散を行うのが鉄則だと思います。

 

日比谷タクミとしてはオススメは、高配当株と連続増配株を両方ポートフォリオに組み込むことです。これも好みによりますので、ご自身の目的に合わせて選択してみてください。

 

 

以上、今回も最後までお読み頂きありがとうございましたm(_ _)m 

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