「ひふみ投信についてどう考えるべきか?」2つの強みと懸念点を解説してみる
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こんにちは、日比谷タクミです。
レオス・キャピタルワークスが運営するひふみ投信は、日本一有名なアクティブファンドと言っても過言ではなく、投資家からの人気も高いです。
今回はアセットアロケーション、全世界投資での運用を行っている個人投資家の視点から、
「ひふみ投信についてどう考えるべきか?」2つの強みと懸念点を解説してみる
というテーマで、レビューを書いていきたいと思います。
ひふみ投信は実績がすごい
ひふみ投信はインデックスファンドではなく、インデックスを上回る成果を上げるために銘柄の入れ替え等を行って運用パフォーマンスを追求するアクティブファンドです。
一般的にアクティブファンドは買付手数料や信託報酬などの手数料が高いにも関わらず、なかなかインデックスを上回る成果を上げることができていない状況です。
実際の統計では8割のアクティブファンドがインデックスファンドを上回る成果を上げることが出来ていません。ひふみ投信も例外でなく、信託報酬率は年1.0584%(税込)となっています。
しかし、それでもひふみ投信は高い人気と信頼を誇っています。
それは、ごくシンプルに
「パフォーマンスが圧倒的に高いから」
というのが一番の理由です。
ご覧のように1366 TOPIX連動型上場投資信託と比較してみても、ひふみ投信のパフォーマンスの良さは一目瞭然です。TOPIXは基準日(2009年2月)を起点に2019年5月までで約2倍強になっていますが、ひふみ投信の基準価格はなんと4.6倍となっています。
純資産総額も増え続け、1331.5億円(2019年4月時点)にまで増えています。アクティブファンドの中では数少ないつみたてNISAの対象にも選ばれている優良ファンドです。
ファンドマネージャーの藤野英人さんは野村アセットマネジメント、JPモルガン・アセットマネジメント、ゴールドマンサックス・アセットマネジメントなどで運用を行ってきたプロのファンドマネージャーで、TV出演、著書なども多く非常に知名度の高い方です。
なぜひふみ投信はこんなに高い実績が出せるのか?
ひふみ投信の強みは以下のような点です。
①徹底取材したグロース銘柄を中心とした運用
ひふみ投信は中小型のグロース株を中心として運用を行っています。成長期待のある会社に直接訪問し経営者と面談をして、ボトムアップリサーチを行っているのが特徴です。
ビジネスモデルの強み、業績や資本効率、そして経営理念をしっかりと確認してから投資対象としています。財務面以外での経営実態をしっかり把握してから投資銘柄として組み入れているため、高い銘柄選定の精度を維持しています。
ここ数年、Amazon, Microsoft, VISAなどの海外株式の比率が高くなっていましたが、直近では再度外国株式の比率を下げて日本株比率を増やしています。
銘柄構成(2019年4月時点)
<投資企業規模別>
大型株(3,000億円以上) 46.0%
中小型株(300億円以上、3,000億円未満) 46.7%
超小型株(300億円未満) 5.3%
現金等 2.0%
<国内・海外比率>
国内株式 85.3%
海外株式 12.7%
現金等 2.0%
<構成銘柄上位>
②下落局面でキャッシュポジションを増やす
ひふみ投信はリターン追求のみを目指していなく、株価下落局面ではキャッシュポジションの比率を増やして、株価の暴落局面で大きくアセット全体がドローダウンすることを避ける、という方針を取っています。
例えば、
・東日本大震災て株式市場が大きく落ち込んだ2011年3月は15.52%
・チャイナショック後の2016年2月は9.92%
というキャッシュポジション比率になっています。
通常、ファンドは顧客から預かった資産を出来る限り運用に回すようにします。ひふみ投信は成長株を投資対象としているにも関わらず、このキャッシュポジションを柔軟に持つ姿勢を明確にしており、
「守りながらふやす」
というコンセプトを持っています。
株式100%でアセットを組んで、キャッシュポジションでリスクをコントロールするアセットアロケーションに近いイメージです。
通常2~3%で動かしているひふみ投信のキャッシュポジション比率ですが、2018年10月~12月の下落局面では4%程度までしか上昇しませんでした。少し直近では運用方針を変えてきているのかも知れません。
ひふみ投信とひふみプラスの違い
ひふみ投信はレオスキャピタルワークスが直接販売しているので、ひふみ投信のホームページから直接申し込みが必要で、入金もレオスに直接行います。
一方で、ひふみプラスは、普通にネット証券などで購入が可能です。直販のひふみ投信と中身はほぼ変わりませんので、違いは買付手数料がかかることのみです。しかし、SBI証券や楽天証券などのネット証券ではノーロードで取り扱っているので、買付コスト面で差は出ません。しかし、
ひふみ投信は長期保有を前提にする方にはメリットが大きくなります。
5年経過すると信託報酬が年0.8584%、保有期間10年すると0.6584%になる資産形成応援団という仕組みがあり、長期保有するのであれば直販の方が大きく有利です。
ひふみプラスにもファンドの純資産総額が増えていくと、最大で年0.8424%まで信託報酬が低くなる制度がありますが、長期保有メリットが無いので、口座が1つ増えることの手間を取れるなら、直接申し込みをする方が良いかなと思います。コストは0.1%でも0.2%でも違いは大きいです。
→WEBサイトはこちら レオスのひふみ投信
ひふみ投信に投資をする前に知っておきたい懸念点
①中小型株は上昇も早いが、下落も早い
ひふみ投信は時価総額が大きい銘柄の組み入れ比率が高いインデックスファンドとは異なり、中小型株を中心としています。中小型株は成長力があるため、運用パフォーマンスは高くなりやすいという特徴がある反面、下落した時のインパクトは大きくなります。
実際に直近の2018年12月3日に基準価格は47,870円を付けていましたが、12月25日には37,966円まで急落し、下落率は20.7%となりました。しかし、日経平均(225)は同期間で22,574円から19,155円と15.2%、TOPIXは16.2%となりました。
つまり、
下落局面ではインデックスファンドよりも弱い
ということです。
ひふみ投信は2008年10月に運用開始しました。丁度リーマンショック後の運用なので、金融危機でどれだけドローダウンしたのかの参考情報がなく、今後同様のことが起きた時のリスクが読めないという点もあります。
②手数料はインデックスファンドよりかなり高い
ひふみ投信はアクティブファンドの中では手数料は低いですが、インデックファンドと比べると、そうはいっても6~8倍近い手数料の差があります。
同じ国内株式ファンドでも、常にインデックスファンドランキングの上位に来るeMaxis slim国内株式(TOPIX)の信託報酬は0.1512%です。
今後、ひふみ投信のパフォーマンスがインデックスを劣後する可能性があるリセッション局面などは、高手数料がネックになることもあり得ます。
そこについてはちゃんと許容できるかどうかは考えておいた方が良いと思います。
まとめ
過去の実績が将来のパフォーマンスを語る訳ではありません。しかし、ひふみ投信は明確に過去パフォーマンスが良かったファンドであることも事実です。
過去の長期実績をベースに、
「S&P500に投資しておけば大丈夫」
というインデックス投資家が多いのはご存知の通りです。
一方で、S&P500に比べて実績期間は短いものの、ひふみ投信も設定来のパフォーマンスだけを見れば、
「ひふみ投信に投資しておけば大丈夫」
という投資家がいても不思議ではありません。
本サイトでは個別銘柄やファンドの推奨もしていませんし、アクティブファンドに対しては日比谷タクミもあまり積極的なスタンスではありません。
しかし、ひふみ投信はインデックスファンドにはないリスク面もあるものの、少なくともパフォーマンスに裏付けされた実績と、情報開示なども含めて信頼できるファンドだとは考えています。
→WEBサイトはこちら レオスのひふみ投信
以上、今回も最後までお読み頂きありがとうございましたm(_ _)m
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