改めてインカムゲインを得ることの意味を考える
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こんにちは、日比タクです。
投資をすることも、しないことも人それぞれです。
そして、その投資目的も人それぞれですが、大きく投資目的を2つに分けると、
①値上がり(キャピタルゲイン)を目的とした投資
②配当(インカムゲイン)を目的として投資
に分かれます。
今回、主題は②になるのですが、今まで本サイトで語ってきている各種の過去記事も参照しながら、改めて①との違い、そしてなぜ②を日比タクは追求しているのかについて解説していきたいと思います。
ザ・株式投資の難しさ
バリュー投資とグロース投資
①のキャピタルゲインを目的とした投資は、いわゆる「ザ・株式投資」でイメージされる方が多いと思います。
「安く買って高く売る」という投資法です。
株価が割安かどうかを判断する方法は色々あります。
PER Price Earnings Ratio 株価収益率
PBR Price Book-Value Ratio 株価純資産倍率
PEGレシオ 企業のPER÷年間成長率
こういった指標を使った分析を通して、
「株価が今は割安だ」
といった判断をしながら銘柄を購入して、値上がりを待つ形になります。
これは俗にいう割安銘柄を仕込んで、値上がりを待つ方法ですがバリュー株投資といった呼ばれ方もします。
また、順張りという考え方で、事業が成長していて株価が上昇している企業に投資するケースもあります。これはグロース株への投資という考え方で、どちらも株価上昇を狙ったものです。
確かに株価は短期間で大きく上昇するケースもあり、2倍、3倍という株価からキャピタルゲインが取れるケースもあります。
大きく収益が上がるため、多くの投資家は一攫千金や、手っ取り早くお金持ちになることを狙って、こういったバリュー株投資やグロース株投資に強く興味・関心を持つことになります。
自分は儲けられるという幻想
確かに上手くやれば儲かるのがキャピタルゲインを狙った投資です。
キャピタルゲインを狙った投資により資産を気付いた著名な投資家は沢山います。かの有名なウォーレン・バフェットもその1人です。
しかし、いわゆる買い目線の現物投資であれば、値上がりすれば儲かるのですが、同時に値下がりしたら損失を被る可能性もある訳です。
いわばカジノのポーカーやブラックジャックと同じで、勝つ人と負ける人がいるゼロサムゲームと同じです。
結構、ザ・株式投資は難しいのです。
どんなに優良な銘柄を選んでも、短期間では投資タイミングによって値上がりすることもあれば、下がりすることもあるので、確率論的に言えば儲かる可能性は50%。
これは投資の世界では極めて普通のことです。
しかし、多くの人は儲けたいあまり、この損失を被る可能性を軽視します。
そしてあとで言うのです、
「こんなはずではなかった」と。
「寝て起きたらお金が増えているはず」の仮想通貨に対して、投資リスクの理解がないまま手を出した投資初心者が、コインチェック事件で大損を被りました。
まさにこれが儲かるはずだったのに、「こんなはずではなかった」の典型例と言えます。
損をする恐怖
多くの人は同じ確率で利益を上げることが出来る可能性があるにも関わらず、プロスペクト理論で説明される、「損をする恐怖」にも強く縛られます。
含み益が出た時は小さな利益を確実に確保したくなり、含み損が出た時は損失を確定させたくない。
最後の最後に含み損を大量に抱えた上で、投げ売りによって大損をする傾向にあります。
投資にまつわる心理傾向の作用によっても、多くの人は利益よりも損失を膨らませていきます。
「投資で8割の人は儲からない」
と言われます。
それは、このような人間の心理傾向を理解して、それを前提にした方針をしっかり立てて投資と向き合えていない、それこそが原因と考えられます。
増幅する投資不信
これは余談でもありますが、一度自身で投資に失敗したり、友人が投資に失敗しているのを見た親世代が子供に対して言う訳です。
「大人になったら真面目に稼ぎなさい」
「投資はギャンブルだ」
また、投資で大きく損失を出した人や、投資詐欺に騙された人をピックアップして、メディアがあざ笑うかのように報道し、
「焦って欲を掻くからこうなるんだ!」
といった暗黙のメッセージを生み出します。
こうした世間の歪んだ認知は、投資での損失への精神的ダメージを肥大化させ、投資スタンスの誤りを修正しながら、投資に継続的に向き合う忍耐さえをも奪います。
ザ・株式投資そのものがどうというよりも、株式投資を取り巻く認知形成も投資家心理に影響を与えます。
インカムゲインを狙った投資
売らなければ利益が確定される投資
一方でインカムゲインを狙った投資も、一般的にはいわゆるザ・株式投資と同類のものと理解されています。
しかし、実際の中身は異なります。
「配当金」というのは、企業が株主への還元として払い出しをするものです。
そこで何十パーセント、何倍というリターンは見込めません。しかし、毎年ずっと投資金額の3%とか、4%とか、5%とか。高いものであれば7%や8%の配当利回りを得ることも可能です。
株式を保有していると株価は変動していきますが、配当は減配や無配への転落などがない限りコンスタントに入ってきます。
そして、入ってくる配当は「確定利益」です。
つまり、
「持っていれば自動的に利益が確定されていく、売ることを前提しない投資」
というのがインカムゲイン投資です。
売らずにいれば配当は入ってきます。株価が下がったら配当利回りが上がるので、損切りしたりせず、買い増せばよいのです。
「投資で儲かる・損する」の世界で生きるのを辞められる
投資で儲けるのは簡単ではないのです。
・価格が上がるのか、下がるのか
・いつ価格が上がるのか、いつ価格が下がるのか
・どのくらい価格が上がるのか、下がるのか
そんなのは分かりません。
日比タクは以前より投資をしてきて、ある時に気づきました。自分にはわからないと。そして考えるのに無駄に時間を浪費していると。
なので、そういうストレスフルで、先の読めない投資を辞めました。いや、インカムゲイン投資は辞めさせてくれました。
地味でも儲からなくてもいいので、株式の配当金やETFの分配金などで生きていこうと思っています。
インカムゲイン投資の3大メリット
上記を踏まえると、明確なインカムゲイン投資のメリットが見えてきます。
①心穏やかに投資と向き合える
投資ストレスの緩和
これが1つ目のメリットです。
売買の投資タイミングを図ったり、含み損を抱えても強いストレスを抱える必要が無くなります。
買う時は安く買った方がいいですが、そもそも売らなくていいので損失回避傾向に惑わされなくなります。
含み損が出ている時こそ追加投資のチャンスです。
また配当が出ているので、株価下落局面での精神的なダメージも大きく軽減されます。
確かにキャピタルゲインを狙った投資は、アドレナリンが出る瞬間もあれば、強烈な絶望感を味わう時もあってエキサイティングです。
しかし、インカムゲインを狙った投資は、そういった側面とは真逆です。心を穏やかに投資と向き合うことが出来ます。
②確定キャッシュフローを強制的に得られる
確定キャッシュフロー
が2つ目です。利益は確定してこそ利益であり、含み益は利益ではありません。
「もっと儲けたい」といった欲が入り込む余地が小さいのです。強制的に利益確定させられるのが、人間の迷いを奪い、安定性をもたらします。
また、「いつ売るか?」などを考えなくてもいいので時間がかかりません。
また、インカムゲインを得る投資をしていると、毎月、毎四半期、毎年入ってくる配当や分配金は確定された自分の利益になり、キャッシュフローが発生します。
その利益は再投資をしてもいいですし、生活費に使っても、ちょっとした自身の贅沢に使っても良いのです。
自身の本業からの確定収入のほかに、自由に使える確定所得が金融資産から入ってくる、という豊かさを享受できるのはインカムゲイン投資ならではです。
その金融資産からの所得を利用して、セミリタイアを達成したり、じぶん年金を作ることも出来ます。
③下落局面に強い
相場下落で強いのがインカムゲイン投資
日比タクがインカムゲインの一番のメリットと考えているのは、この部分です。
インカムゲインを目的とした投資は株価の下落局面に極めて強いのです。
株価が低迷している局面では配当利回りが上がりますが、コンスタントに払い出される配当をどんどん再投資していけば、大きな複利効果を得ることが出来ます。
勝つことを考えて投資というのは行ってはいけません。
株価は等しい確率で上下するのですから、下がった時のことを最初に考えるべきであり、そのためのインカムゲイン投資とも言えます。
とにかく、
「負けないこと」
これが一番大事です。
負けなければ、長期間市場から退場せずに生き残ることができ、経済成長の恩恵を享受できます。
まとめ
日比タクは投資にエキサイトメントを求めていません。エキサイトメントは自身のビジネスキャリアで実現すれば良いからです。
そのため、投資では安定的に利益を生むことができれば十分だと思っています。
また、自分自身は投資の天才でもなければ、センスがある訳でもありません。どれだけ努力して勉強しても負ける時は負けます。なので売ったり買ったりして儲けを出すことは、自分には出来ない、と思う訳です。
そのため、インカムゲインを狙った投資スタイルがフィットしますし、それで満足をしています。
この記事をご欄の方の中にも、インカムゲインに興味ない人もいるでしょうし、否定的な見解をお持ちの方もいらっしゃると思います。
それは人それぞれの選択なので良いと思いますが、今回の記事でインカムゲイン投資とはどんな意味を持つのか、その理解の一助になれば幸いです。