資産形成においては"ロジック"を揺さぶる、"感情"のコントロールにフォーカスしよう
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こんにちは日比谷タクミです。
世の中にはロジックと感情という概念があり、いつもこの二つはせめぎ合いを繰り返して、ジレンマを生み出すのが普通です。
仕事の場面においても、このせめぎ合いは常に発生します。
「儲かるから是非やりたい仕事だけど、自分のポリシーからは外れてしまう」
「心情的にはやらせてあげたい案件だけど、今は投資すべき時期じゃないかも。。」
こういうロジックと関係者の感情が複雑に絡む中で意思決定を求められるのが、ビジネスにおけるマネジメントです。
このロジックと感情の問題は、資産形成にも通じる大きなテーマです。
今回は資産形成に当たってのロジックと感情について、ビジネスとの比較をしながらに見ていきたいと思います。
ビジネスにおけるロジックと感情
ロジックと感情の間のジレンマ
今までに以下のような経験がある方もいるのではないでしょうか?
「お客様はまだ納得してないけど、自分の今月の売上ノルマ達成のためにどうしても今日中にクロージングしなければいけない」
「期末だから余った予算を消化しろと言われているけど、こんな無駄な使い方をするなら、むしろ使わない方がいいんじゃ・・・」
「プロジェクトの趣旨には上司も同意してくれているに、細かいところばかり指摘されれてなかなか承認されない。上司はプロジェクトに乗り気じゃないのでは・・・?」
ビジネスの世界においては、こういったロジックと感情のジレンマが頻繁に発生します。
なぜビジネスではロジックと感情の両方が必要なのか?
いわずもがなですが、収益性やROIをきちんと説明できないとビジネスを前に進めることはできません。
誰も、儲からないビジネスには投資しないからです。
しかし、一定の水準で短期・中期・長期のROIやその実現蓋然性が説明できている場合でも、上司や経営陣から投資決裁が降りなかったりすることがあります。
それはなぜでしょうか?
恐らくそれは感情面での働きかけが足りていないからかも知れません。
ビジネスはロジックだけでは動きません。それは人が動いてるからに尽きます。
「なぜ自分達がやらないといけないか?」
という信念や信条に基づいた主張は、時として合理性をも上回ります。
仮に、
・論理的には筋が通っている話
・利益面を考えれば進めるべき案件
が仮に目の前にあっても、実際にその仕事を動かす人がモチベーションを持って動けないと成果を見込むことはできません。
例えば、事業のトップである経営者の意思、想い、熱が伝わらないと、組織に属する現場のメンバーの共感を得ることができず、どんなに優れた戦略でも成果を生み出すことはできません。
逆に現場メンバーの意思や想いが、経営陣の戦略を動かすことすらもあります。
ビジネス動かすのは、経営者や社員である事業の当事者である私たちです。そこにはロジックだけでなく、生身の人間を動かすための感情が必要なのです。
例えば会社によっては、
「事業開発案件は案件そのものよりも、起案者の本気度を見ている」
という会社もあります。
そう考えると、ビジネスの世界においては、
感情>ロジック
の構図があると言えるかも知れません。
資産形成におけるロジックと感情
①実は資産形成は機械的な作業
一方で、資産形成においては、
感情<ロジック
となります。
これはなぜかというと、ビジネスとは違って自分が結果に介在できないからです。
投資による資産形成においては、ある程度機械的な物事の判断が求められます。
例えば、いつも紹介している資産形成の公式と3つのポイントをベースにすると、以下を全てある意味デジタルにこなしていくことが求められます。
◇公式◇
資産形成=(収入 - 支出) × 投資利回り
◇3つのポイント◇
1、収入投資率の向上
2、アセットクラス分散
3、配当再投資
・毎月収入から一定額を投資に回す
・アセットバランスを整えて維持する
・配当を一定間隔で再投資する
これらの作業は、かなり機械的な作業になります。
②投資でよくある"感情の暴走"
投資というのは、会社のお金ではなく自分のお金を使って行う訳です。
仕事で判断ミスして会社に損失を与えた場合、上司から怒られたり、懲罰人事となって異動させられることくらいはあるかも知れません。
しかし、サラリーマンである限り、次月からも変わりなくお給料が振り込まれる訳です。
一方で、個人での資産形成においては、自分の判断ミスはそのまま自身の資産額と直結します。
それが故、投資には自分自身の強い感情や想いが入り込んでしまうケースが多々あります。
投資初心者にはよく以下のような失敗が付きまといます。
・本来は上値を追うべき状況ではないのに、「ここで乗らないと損する!」と自分に言い聞かせて買ってしまった結果、そこが天井で大暴落した。
・本当は長期で持っていれば回復する含み損なのに、「もっと下がったらどうしよう」と焦って損切りして、手痛いダメージを食らってしまった。
・ちょっと儲かったので気持ちが大きくなって「早く資産を増やしてやるぞ!」とレバレッジをかけたら相場が反転してしまい、追証が払えずに市場から退場してしまった。
こういった"感情"が入り込んだことによる投資での大失敗はよくある光景です。
これは身銭を切った投資によって、自分の感情をコントロールできなくなってしまい、合理性が無い取引に踏み込んでしまった結果として起きた失敗と言えます。
③そもそも市場は自分ではコントロールできない
ビジネスにおいても、投資においても、
「自分でコントロールできる領域にだけフォーカスせよ」
という鉄則があります。
ビジネスでは前述の通り、自分自身が当事者としての責任感を持っていれば、自身の意思で物事を変えられる余地があります。
しかし、あなたがマーケットに自分の資金を投資する場合、自身が結果に介在することはほぼ不可能です。
あなたが何を言おうが、どう考えようが、どんなに思い入れを持とうが、結果はマーケットの意思で決まります。
あなたが、
「Appleの株価上がれ!」と念じても、
「マクドナルド頑張れ!」と叫んでも、
「JT踏ん張れ!」とTwitterで応援しても、
それは全く意味を成しません。
私たちに出来ることは限られます。
合理的な視点から、
・成長の蓋然性が高い領域・マーケットを探すこと
・自身のリスク選好度や目的に応じた投資戦略を考えること
・その戦略に沿って、粛々と銘柄を選定すること
そしてあとは継続的に資金を投入しながら、ただひたすらマーケットに身を委ねて資産が積み重なるのを待ちます。
その間で実行できるのは、少し割安になった銘柄を多めに買い増したり、ポートフォリオのバランスを調整する程度です。
まとめ
ロジックと感情という切り口で、資産形成とビジネスとの違いについて述べましたが、投資においては、
「感情のコントロール」
が最も大切なタスクの1つと言えます。
感情は一度固めたロジックを簡単に崩し、増幅して合理性から遠い所へ自分をいざなっていきます。そして、気づいた時には大損害を食らってしまうのです。
よくIQ(知能指数)と対比して、EQ(心の知能指数)というものの大切さが語られます。
心の知能指数(EQ)は、自己や他者の感情を知覚、コントロールし、成功を収める能力
まさに資産運用、資産形成こそこのEQ(心の知能指数)が求められます。
"感情"にフォーカスして自分をマネジメントすることで、堅実な資産形成に近づけるのだと思います。
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