【海外駐在 vs 海外就職】3つの切り口でどちらを狙うべきか比較する
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こんにちは、日比谷タクミです。
特に最近、若い人の中では海外志向の方が増えてきていると思います。今回は、海外で活躍をしたい若者に向けて、
海外駐在と海外就職
という形式で、仕事、キャリア、経済的な面など様々な角度から比較してみようと思います。
特に親日国、かつ日本から近いため東南アジアが海外就職が人気です。日比谷タクミはアジアの複数国に駐在し、出張などでも東南アジアは殆どの国に渡航してますので、今回は主には東南アジアでの海外就職、駐在の話が中心になります。
海外で働くチャンスの拡大
広がる海外で働く選択肢
旧来より欧米などの先進国で働くことへの憧れを持つ人は多く、10年、20年前の「海外で働く」ことと言えば、こういった先進国で働くことでした。
とはいえ、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどのネイティブ圏では高い英語力が必要とされるとともに、実力主義の世界なので現地に飛び込んで働くというのはハードルが高いのが現状でした。
しかし、新興国、特にアジア地域で働くことが一般化してきたことで、以前に比べて格段に海外で働くことの選択肢が広がってきました。
以前の新興国は、言語の壁、治安の不安、インフラなどの整備の遅れに加え、相対的に賃金が安かったため、なかなか日本人が働く先としての選択肢に入りづらい構造でした。
しかし近年の急速な経済成長、生活環境の改善、日本企業の海外進出などもあり、現地で日本人が活躍をする場が広がってきました。
新興国における海外駐在員も、以前は資源系のビジネスを行う商社など一部に限られていました。しかし、新興国を生産拠点とする会社の増加、またローカル市場の獲得を狙う日本企業が直接投資を拡大しており、駐在員の派遣も増えてきました。
外務省が行っている平成29年度の地域別在留邦人数推移によると、アジア地域の在留邦人数は、人数・シェアともに大幅に増えてきています。
※平成29年度 地域別在留邦人数推移
言語障壁の低いIT産業の発展
また、IT産業などボーダレス産業の成長により、海外で活躍するためのハードルが以前よりも下がりました。ITエンジニアはコミュニケーションに依存せず世界どこでも仕事ができるようになってきています。
その需要も高まっており、技術力のあるITエンジニアはアメリカで働いた方が日本で働いているより倍以上の給与が貰えたりする環境になっています。新興国でも優秀なITエンジニアの賃金水準は加速度的に高まっています。
情報の透明性の高まり
何よりもインターネットを通して現地の情報が入ってくるようになったことが大きいでしょう。昔はほとんどの人が足も踏み入れたことのない異国の地に自ら飛び込むのはリスクでしかありませんでした。
現地に何らかの接点があったり渡航歴などが無いと、海外での生活にイメージが湧かずに不安を拭えないものです。しかし、インターネット上で現地情報を発信する人が増え、その情報信頼性も高まってきたことで、新興国のイメージは大きく改善されてきています。
これは、アジアで働く女性が増えていることからも説明できます。
※アジア地域の男女別在留邦人数推移
アジア地域の男女別在留邦人数の推移をみると、女性も男性と同じペースで伸び続けており、平成20年から29年では男性134%、女性133%の成長率です。
男性については駐在員の増加がこの数字を押し上げている部分もあると思いますが、女性については大部分が自ら渡航を決断されている方が多いと推測されます。
深まる日本の将来への懸念
また、若者が海外を目指すのも、日本の将来への懸念によるところも大きいです。
・人口減少による国内市場の衰退
・平均給与の漸減
・高齢化に伴う将来の社会保障負担増
これらのキーワードを見るだけでも、若い人は気が滅入りそうです。
頑張っても報われる可能性が低い日本では、成長感がある発展的なキャリアを描けるイメージが湧かず、それならば海外に出てチャレンジしたいと考える人が増えるのも自然な流れでしょう。
アジアで人気の就職先
アジア圏、特に東南アジアにおける国別の在留邦人数を見ると、人数では男女ともにタイが圧倒的ですが、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インドネシアなどアジアにおける就職先として人気があります。
※国別の在留邦人数(同居家族除く本人のみ)
この数字は、日系企業の拠点数も影響していると思われます。
※平成29年 国別日系企業拠点数
マレーシア
東南アジアではシンガポールに次いで国民平均所得が高く、治安が良い国です。都心部での生活費も安く、首都クアラルンプールはMRT(モノレール)が走り、交通アクセスも良くことが特徴です。
マレー系、中華系、インド系の人種が混在していることで英語を話せる人が多く、食べ物も日本人の舌にあったローカルフードが沢山あります。
タイ
歴史上、日本がアジアで唯一植民地を持ったことがある国なら、タイはアジアで唯一植民地にならなかった国です。タイは豊かな食文化、観光資源を有し、世界中の人たちから日とても人気がある国です。
その他(フィリピン、ベトナム、インドネシア)
同じく親日国として英語が使えるフィリピン、ローカルフードがおいしく住みやすいベトナム、経済の成長余地が大きいインドネシアなども魅力です。
海外駐在と海外就職の比較
さて、前段が長くなりましたが、海外で働くことを考える時に、駐在と現地就職という二つの選択肢があります。シンプルに言うと、
・会社に入ってから将来的に機会を掴むか
・いますぐに行きたい国に飛び込むか
という差です。
これらの選択肢を機会獲得、仕事・キャリア、経済面という3つの切り口から比較してみましょう。
1、機会獲得
海外駐在
まず、海外駐在ポジションを獲得できるのは一部の例外を除き、一定の社会人経験を得てからになります。なので、今すぐ海外で働きたい人には現実的ではない選択肢です。
海外駐在の機会を獲得できるかどうかは、自身の仕事での実績やそもそもの意思表示も大切ですが、はっきり言って運の要素も大きいです。
実際に本人がどれだけ希望しても、チャンスを得られないケースが多いのも実情です。
海外勤務が可能な企業に入る
東洋経済オンラインで調査されている海外勤務者の多い企業ランキングがありますが、これらの企業に就職するというのが、チャンスを広げるための1つの考え方です。
社内で実績を積み上げてアピールする
海外では自立して実績を出せる方が求められます。海外駐在の機会を得られるかどうかは、まず国内での実績と一定の評価が求められます。
ポジションの空き状況
海外に行きたくても、社内のポジションは限られます。人の異動などのタイミングが合わないと、候補者となったとしてもなかなかその機会は得られません。
獲得した赴任ですぐに成果が出す
海外赴任はワンチャンスです。海外に出てから一定期間で実績が出せないと「あいつを海外に出したのは失敗だったかも」という評価となりやすく、早いタイミングで帰任となる可能性もあります。
逆に実績が出ると赴任が長期化したり、複数カ国に駐在することもあります。
海外就職
海外就職は近年かなりチャンスが広がっており、ネットで検索をかければ沢山の求人情報が出てくるようにもなっています。また、現地にお勤めの方などにコンタクトを直接取って働き口を探す方もいらっしゃいます。フィリピンなどは英語学校に留学したタイミングで、学校関係者からの紹介を得たり、現地企業と直接ツテを作ることも可能です。
海外就職の選択肢は、
①現地に進出している日系企業の現地採用として就職する
②現地企業で働く
③グローバル企業の現地法人に入る
などになります。
②は英語だけでなく現地語を含めた語学力が必要になるのと、③は言語に加えて成果主義の中で働くため専門性が必要になってきますので、かなりハードルが高くなります。
現実的かつ一番馴染みやすいのが、①の日系企業の現地採用となるでしょう。
2、仕事・キャリア
海外駐在
海外駐在で赴任する場合、若手のトレーニーを除いては現地生産拠点や事業運営のマネジメントの役割を担うケースが多く、そのため年齢も30歳を過ぎてからの年齢となるケースが多いです。
海外での事業基盤が既にできている会社の場合、今後の管理職候補人材に対して、海外駐在をジョブローテーションの一環で行かせるケースもあります。海外勤務をすることで視野を広げてもらい、今後企業の中核を担ってもらおうという人事施策の一環ということです。
一方で、これから海外の事業開発を行う場合は、成功の蓋然性を高めるために優秀な人材を派遣する傾向が強いです。ここで成果を出せると一気に社内での評価が上がることもあります。
海外就職
海外就職の場合は、日系企業向けの営業、日本本社とのやり取りなどが求人としては多いと思います。仮に新卒でも日本人が少ないため、重要な仕事を任されることもあります。その中で、日比谷タクミが将来のキャリアも考えておススメするのは、
ローカル向けのビジネスに携わること
です。
現地の日系企業向けの仕事や、日本とのやり取りが中心となる仕事だと、日本で仕事しているのと何が違うのか疑問が出てきます。現地にいるからのこそのキャリアが描けず、何のために海外就職がしているのかが見えづらくなってくると思います。
しかし、現地市場に対して何かサービスを開発したり、売り方を開発したりする経験は今後のキャリアでも活かせますし、別の国に行ったときや、国内に戻ってからも評価されます。
3、経済面
海外駐在
企業によって変わりますが、通常は日本にいる時よりも可処分所得が上がります。
商社、金融機関、一部の一流企業などであれば駐在手当や危険地域手当などが充実しているため、収入が日本での倍近くなり、30歳前後でも1500万〜2000万という水準になるケースもあります。住宅も専属ドライバーも会社負担、というのが日本のトップ企業の海外駐在員の待遇です。
一方で、中堅企業やベンチャー系などではほぼ手当が出ず、日本とほぼ同じ労働条件となることもありますので、企業による差が大きいです。
海外就職
国の経済水準によって異なりますが、日系企業の現地採用であれば日本円ベースで月収15万円~20万円程度からのスタートが多いと思います。現地物価が安いので、遊び歩くような生活をしていなければ貯金もできると思います。
しかし、現地法人という枠の中でのアサインメント、そして人事評価になるので、昇給、昇格、キャリアの広がりにおいては、日本で働いている人よりも限定される傾向が強いです。
早い段階で収入のトップラインを高めたいと考えているのであれば、日系企業よりも現地で起業したベンチャー企業に参画するのが、日比谷タクミのおススメです。
日本人が起業したローカルサービスを行うベンチャーでもいいですし、伸び盛りの現地ベンチャーも有りです。東南アジアにもユニコーンと呼ばれるサイズのベンチャーも数多くあり、将来的に日本市場に進出を狙う含みも入れて日本人を採用する企業もあります。
新興国で成功すれば大きな経済的な果実が得れますし、仮に失敗しても海外での経験は無駄にはなりません。
まとめ
海外就職vs海外駐在 どちらを狙うべきかというタイトルに沿ったまとめをすると、
・海外駐在狙いは経済的な恩恵は受けやすいが、一生機会が獲得できない可能性もある
・海外就職はチャレンジしやすく伸び白もあるが、目的が海外でのキャリア形成に向いていないと、若い時期の無駄使いになる可能性もある
という結論になります。
長く海外でビジネスを経験した立場からアドバイスをできることがあるとすると、
・海外駐在を狙うなら、会社を選び、最初から海外への意欲を見せ、一貫性のあるパフォーマンスを出すのが一番の近道です。
・海外就職を志すのも大いに結構ですが、
「人と違うチャレンジがしたい」「××国が好きなので働きたい!」
といった浅い理由だけでは不十分です。
将来、海外でどんなキャリアを描くために、どんな環境に身を置くのかをしっかり考えないと、しばらく海外生活を楽しんだ後に、大したものを得られずに帰国することになります。
どんな選択肢を取るも自分次第ですが、
間違いなく海外での仕事に魅力はあります。
ぜひ、自分なりの道を探してみてください。
以上、日比谷タクミでした。今回も最後までお読み頂きありがとうございましたm(_ _)m
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